close

pediatrics小児科

  1. HOME
  2. 小児科のご案内
  3. 予防接種
  4. 髄膜炎菌ワクチン

子どもの予防接種

髄膜炎菌ワクチン

ワクチン名 4価髄膜炎菌ワクチン(商品名:メンクアッドフィ®)
予防する病気 髄膜炎菌感染症
接種の対象年齢 2歳以上56歳未満
接種回数 1回
接種方法 筋肉内注射
標準的な接種スケジュール 日本で使用されているワクチンは2歳以上で接種できます。
米国では11歳での接種を推奨しており、米国の高校や大学に留学する時には接種が必要となることが多いです。
備考
  • 髄膜炎菌ワクチンは、多くの欧米先進国で定期接種になっています。
  • 日本で承認されている髄膜炎菌ワクチンは4価髄膜炎菌ワクチン(商品名:メンクアッドドフィ)のみで、B群による侵襲性髄膜炎菌感染症の予防に有効なワクチンは未承認です。
  • 国内、海外を問わず、寮やスポーツ合宿などで集団生活を送る予定のお子さんたちは感染のリスクが高くなりますので接種を受けておきましょう。

※予防接種は、完全予約制です。あらかじめご予約ください。


髄膜炎菌感染症について

  • 病原体:髄膜炎菌
  • 感染経路:飛沫や分泌物を介してヒトからヒトへ感染
  • 潜伏期間:1〜10日(2〜4日)

 髄膜炎、菌血症、敗血症などの侵襲性髄膜炎菌感染症を引き起こします。髄膜炎菌性髄膜炎の症状は発熱、頭痛、嘔吐、項部硬直、点状出血、紫斑などです。病状の進行が非常に早く、適切な治療を行っても命に関わる重症な感染症です。

 終戦前後の日本では4000例を超える患者が見られましたが、現在では侵襲性髄膜炎菌感染症の報告数は年間40例程度で、比較的まれな疾患になっています。しかしアフリカの髄膜炎菌ベルトと呼ばれる地域では流行が見られ、米国、英国などの先進国でも年間1000人以上の患者が発生しています。髄膜炎菌は13種類の血清群に分類されていますが、侵襲性髄膜炎菌感染症は主に5種類の血清群(A, B, C, W, Y 群) によって起きています。 地域によって流行する血清型は異なり、アフリカではA群が、日本ではY群やB群が多いと報告されています。

4価髄膜炎菌ワクチン

髄膜炎菌(血清型A,C,Y及びW-135)による侵襲性髄膜炎菌感染症を予防するワクチンとして2014年に承認された4価髄膜炎菌ワクチン(商品名:メナクトラ®)の後継品として、4価髄膜炎菌ワクチン(商品名:メンクアッドフィ®)が開発され、日本で2022年9月から接種できるようになりました。血清型A、C、Y及びW群の4種の莢膜多糖体に破傷風トキソイドを付加した製剤です。本剤では,血清型A,C,Y及びW-135以外に起因する侵襲性髄膜炎菌感染症を予防することはできません(血清型Bに起因する侵襲性髄膜炎菌感染症を予防することはできません)。また、既に発症している髄膜炎菌感染症を治療することもできません。副反応は局所の疼痛、発赤、頭痛、倦怠感が報告されています。アナフィラキシー様症状などの全身性の副反応は稀です。

次の項目に当てはまる方は接種が推奨されます。

  • アフリカの髄膜炎ベルト地域など流行地へ渡航する人
  • イスラム教のメッカ巡礼(ハジ、Hajji)でサウジアラビアへ入国する人(サウジアラビアへ入国する際には、髄膜炎予防接種証明書を求められます。)
  • 米国等の留学先から髄膜炎菌ワクチンの接種を義務づけられている人
  • 学校や職場の寮などで集団生活を送る人
  • 国際的なマスギャザリングイベント(特定の期間、特定の場所に大勢の人々が集まること)に参加する人
  • 無脾症や脾臓を摘出された人
  • 補体欠損症の人
  • 免疫抑制者やH I V感染者など免疫不全状態にある人
  • 補体機能を阻害する薬剤であるエクリズマブまたはラブリズマブを投与予定の患者(発作性夜間ヘモグロビン尿症や非典型溶血性尿毒症症候群の患者ではワクチン接種に健康保険が適用されます。)