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子どもの予防接種

五種混合ワクチン
(DPT-IPV-Hib)

令和6年4月1日より四種混合ワクチン(百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ混合ワクチン)にヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)に対する有効成分を混合した五種混合ワクチンによる定期接種が開始されます。このワクチンを使用することで定期接種ワクチンの総接種回数を減らすことができ、乳幼児や保護者の負担軽減につながります。なお、五種混合ワクチン用の予診票は、令和6年4月に生後2か月になるお子さんから送付されます。



定期接種の
対象年齢

生後2か月~90か月に至るまで
※7歳6か月を迎える日の前日まで

接種回数 初回接種3回 + 追加接種1回の計4回接種
接種方法 1回0.5mlを皮下または筋肉内に注射
標準的な
接種スケジュール

五種混合

生後2か月から7か月に至るまでの間に接種を開始し、20~56日の間隔をおいて3回接種、さらに追加接種として3回目接種から6か月から18か月を経過した者に1回接種。
備考
  • すでに四種混合ワクチンとHibワクチンで接種を開始している方は、五種混合ワクチンを接種することはできません。

  • 他のワクチンと同時に接種することができます。

  • 五種混合ワクチンには、阪大微生物病研究会の「ゴービック」とKMバイオロジクスの「クイントバック」の二つがあります。
  • 予防接種は、完全予約制です。あらかじめご予約ください。
  • 予防接種は通常の診療時間内でも接種可能です。(待合室は一般の患者様と同じとなります。)
  • ご来院の際は、母子手帳をお持ち下さい。
  • 母子手帳をお忘れの場合接種できませんのでご注意下さい。

※定期接種を受けられる方は、必ず区から届いている予診票をお持ちください。予診票をお忘れの場合は、受診できませんのでご注意ください。

ご不明な点がありましたら、医師・スタッフにご相談ください。

百日咳について

  • 病原体:百日咳菌
  • 感染経路:飛沫、接触感染
  • 潜伏期間:7〜10日

 普通のかぜのような症状ではじまり、徐々にせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的に咳をするようになります。せきの後、急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。熱は通常ありません。1~2週目が最も咳がひどく、3~4週目になると少しずつ軽くなってきます。回復には2〜3か月かかります。特に新生児や乳児がかかると、けいれんや無呼吸発作を起こし、命を落とすこともあります。最近、長引くせきを特徴とする学童や大人の百日咳がみられ、乳児への感染源となることがあるので注意が必要です。

ジフテリアについて

  • 病原体:ジフテリア菌
  • 感染経路:飛沫感染
  • 潜伏期間:2~5日

 のどや鼻などの粘膜に菌が感染し、発熱、嘔吐、のどの痛み、犬吠様のせきなどの症状が出ます。偽膜と呼ばれる膜がのどにできて窒息してなくなることもあります。発病2〜3週間後には菌の出す毒素によって、心筋障害や神経麻痺を起こすこともあります。DPTが導入され、国内では1999年を最後に報告はありませんが、近年アジア地域をはじめ世界各国で流行が見られています。

破傷風について

  • 病原体:破傷風菌
  • 感染経路:傷口から感染
  • 潜伏期間:3〜21日

 土の中などにいる菌が、傷口からヒトに感染して起こる病気です。菌が出す毒素によって、顔面の硬直や、全身性のけいれんなどが起こります。致命率が高く、呼吸筋の麻痺により窒息死することもあります。子どもの頃に予防接種を受けていない50歳以上の人を中心に、年間100名ほどの患者発生があります。

ポリオについて

  • 病原体:ポリオウイルス(1型、2型、3型)
  • 感染経路:糞口感染
  • 潜伏期間:4~35日

 感染した患者の90%以上は無症状ですが、手足に麻痺(弛緩性麻痺)が起こると生涯続く場合があります。また呼吸できず死に至ることもあります。有効な治療法がなく、ワクチン接種が唯一の予防法です。日本では経口生ポリオワクチンの高い接種率によって、1981年以降野生株のポリオ患者は報告されていません。しかし、海外ではいまだにポリオの発症が報告されており、旅行者などがウイルスを日本に持ち込むリスクがあります。また、経口生ポリオワクチンでは、非常に低い頻度ではあるが、神経病原性の復帰によるワクチン関連麻痺をきたすことがあるため、日本では2012年9月に定期接種が経口生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンに切り替えられました。

インフルエンザ菌b型(Hib)感染症について

インフルエンザ菌は、のどや鼻の奥にいる身近な細菌で、主にくしゃみや咳などで飛沫感染し、肺炎や中耳炎などの病気を起こします。インフルエンザ菌の中で、b型の莢膜を持つ細菌(Hib)は血液中に入りやすく、髄膜炎や菌血症などの重い感染症(侵襲性インフルエンザ菌感染症)を引き起こします。Hib髄膜炎の好発年齢は乳幼児期で、患者の15~30%は難聴などの神経学的後遺症を認め、死亡率は3~6%と言われています。日本では、2013年4月にヒブワクチンが定期接種化され、Hibによる侵襲性インフルエンザ菌感染症はそれ以後ほとんど見られなくなりました。