消化器内科 | 消化器の病気
逆流性食道炎
逆流性食道炎(胃食道逆流症)
このような症状ありませんか?
- □ 胸が焼けるような感じがする
- □ 酸っぱいものや苦いものがこみ上げてくる
- □ ゲップが多い
- □ 食後にムカムカする
流性食道炎とは、胃液が食道に逆流してくることによって食道の粘膜が傷つき炎症が起こる病気で、症状としては胸やけや、みぞおちの痛み、酸っぱい胃液が喉に上がってきます。人によっては、咳、吐き気、胃が張るような感じが出ることもあります。食生活の欧米化とともに増えている病気の一つで、日本人の10人に1人が、かかっていると言われています。
逆流性食道炎の 原 因
食事をすると、食物は食道から胃へと流れていきます。胃に入った食物が戻ってこないように、食道と胃の間は食道括約筋という筋肉が締め付けています。お腹の場所でいうと、みぞおちのあたりになります。この筋肉は本来、食事が通るときに緩み、食事をしないときは閉じているのですが、その仕組みがうまく機能せず開いたままになってしまったり、胃から分泌される胃酸が多いと食道炎の原因になります。
逆流性食道炎の 診 断
症状の出るタイミング等、問診である程度予想が可能ですが、診断には胃カメラを行い、食道と胃のつなぎ目の炎症の程度を評価します。しかし、胃カメラの見た目では食道に異常がなくても、胸やけ等の症状がでることもあり、このような病気を非びらん性胃食道逆流症と呼び、逆流性食道炎と合わせ、胃食道逆流症(GERD)と呼んでいます。
逆流性食道炎の 治 療
生活習慣の改善、飲み薬による治療を行います。食生活では、脂っこいもの、カフェイン、香辛料などの刺激物、飲酒を避けて下さい。一度にたくさん食べたり、食後すぐ横にならないようにしましょう。また、内臓脂肪が多い方、コルセットやベルトでお腹を圧迫する方、前かがみの姿勢が多い方も、胃が圧迫され胸やけなどの症状が出やすくなります。タバコも症状を悪化させますので、できるだけ禁煙をお勧めします。生活習慣の改善で、症状が良くならない場合は胃酸を抑える薬、食道の壁を守る薬、胃の動きを助ける薬を使用します。
良性の病気ですが、一度改善しても、症状が再発することも多いので、生活習慣の改善も重要です。
食道裂孔ヘルニア
食道裂孔ヘルニアとはなんでしょう?
ヘルニアというと腰痛のイメージが強いですが、ヘルニアとはラテン語で臓器の場所がずれることを意味し、食道裂孔ヘルニア以外にも、鼠径ヘルニア、椎間板ヘルニア等、様々な部位で使われます。
食道裂孔ヘルニアがあると逆流性食道炎を起こしやすくなります。
人の体の肺(胸腔)と腹部は横隔膜という筋肉で仕切られていますが、胸腔から腹部へと続く「食道」「大動脈」「下大静脈」が通るためにそれぞれ、読んで字のごとく筋肉の裂け目、「裂孔」があります。食道が横隔膜を通る場所を食道裂孔とよび、食道と胃のつなぎ目を、外側から締め付けています。この食道裂孔が広がり、胃が胸腔側にずれることを食道裂孔ヘルニアと呼びます。
食道裂孔ヘルニアの原因
食道裂孔ヘルニアの原因としては、肥満、慢性的な咳、背中がまるまることによる腹圧上昇、加齢による筋肉のゆるみにより食道裂孔ヘルニアが生じやすくなります。食道裂孔ヘルニアがあると、胃の入り口の筋肉の力が弱くなるので、胃酸が食道に上がりやすく、 逆流性食道炎を起こしやすくなるので、食事や姿勢など生活習慣の注意が必要です。