髄膜炎菌ワクチン
2015年5月から髄膜炎菌感染症を予防するワクチンが接種できるようになりました。
Q 髄膜炎菌感染症って?
A 髄膜炎菌は鼻水や咳でうつります。これが血液中や脳脊髄液中に入って全身に広がると、敗血症や髄膜炎などの侵襲性髄膜炎感染症(IMD)をひき起こします。ヒブや肺炎球菌でも敗血症や髄膜炎は起こりますが、髄膜炎菌は全く別の菌です。
IMDは急激に重症化し、2日以内に5~10%が死亡します。また、回復しても10~20%に難聴や手足の切断、神経障害などの後遺症を残します。0歳代と10代後半に多い感染症です。
Q 身近な病気なの?
A アフリカ中央部や中東で多く報告されていて、メッカ巡礼の際にはワクチン接種が義務付けられています。また、大学の寮で集団発生した例もあり、米英などでは入寮の際に接種証明書の提出が求められます。
近年では2005年に中国で約260人、2004年にフィリピンで約100人、2005年にインドで約370人の集団発生があるなどアジアでも報告がされています。日本でも2011年に宮崎県の高校の寮で5人の集団発生が報告されており、うち1人が残念ながら命を落としました。日本では年間数例~20例程度の発生数なのでまれな病気ですが、2020年の東京オリンピックを控え、今後国際交流もさらに盛んになると思われますので、けっして遠い病気ではありません。
Q IMDの予防はできるの?
A ワクチンがあります。髄膜炎菌に対するワクチンはいくつかありますが、日本で認められているのは「メナクトラ」のみです。髄膜炎菌にはいくつか種類がありますが、メナクトラは血清群A, C, Y, W-135の4つに効果があります。このためMCV4と呼ばれたりします。
対象年齢は2歳以上55歳未満で、筋肉注射になります。自費で1回の接種となります。肺炎球菌ワクチン(PCV13)と近い時期に接種すると肺炎球菌の効果が減弱してしまう可能性があるので、肺炎球菌終了後4週間は間隔をあけます。
詳しく知りたい方は→http://www.imd-vaccine.jp/
受付・お電話にてご予約を承っております。ご不明な点がありましたら、医師・スタッフにご相談ください。
2015年8月19日
自由が丘メディカルプラザ 小児科
TEL:03‐5731‐3565