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子どもの予防接種

ロタウィルスワクチン

ロタウィルスワクチン

ロタウイルスワクチンはロタウイルス胃腸炎の重症化を予防するために口から飲むタイプの生ワクチンです。現在、国内では2種類のロタウイルスワクチン(ロタリックス®、ロタテック®)があります。どちらのワクチンを選ぶかは接種回数、接種スケジュールに対する考え方によって異なりますが、最終的な効果に大きな違いはありません。

ワクチン名 ロタリックス ロタテック
一般名 経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン(1価) 5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン
組成 弱毒化したヒトのロタウイルスG1P[8] 1種類のみ ウシロタウイルス(WC3株)とヒトロタウイルスの組換え体
G1, G2, G3, G4, P1A[8]の5種類を含む
定期接種の対象年齢 出生6週0日後から24週0日後まで 出生6週0日後から32週0日後まで
※どちらのワクチンも初回接種は生後14週6日までに受けてください。
接種回数、接種方法 2回 経口接種 3回 経口接種
接種量 1回 1.5ml 1回 2.0ml
標準的な接種スケジュール 初回接種は生後2月に至った日から27日以上の間隔をおいて生後24週0日までの間に2回接種 初回接種は生後2月に至った日から27日以上の間隔をおいて生後32週0日までの間に3回接種
副反応
  • ワクチン接種後、嘔吐、下痢などの胃腸炎症状が5%未満のお子さんでみられます。
  • 特に注意が必要な副反応は腸重積症(腸と腸がはまりあう病気)で、10万接種あたり1~2人程度、特に接種後の一定期間(初回接種後7日以内が多い)に増加すると報告されています。この頻度は、2つのワクチンに差はありません。接種後、ぐったりして顔色が悪くなる、泣いたり不機嫌になったりを繰り返す、嘔吐を繰り返す、便に血が混じったりする場合は、すぐに医療機関を受診しましよう。
備考
  • 初回接種は、生後2か月から五種混合ワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなどと一緒に接種することをお勧めします。
  • 2回目以降も1回目と同じワクチンで接種を完了することになっています。
  • 両ワクチンとも全てのロタウイルス胃腸炎を約80%防止し、重症のロタウイルス胃腸炎に限ると、その予防効果は約95%です。
  • 接種後に吐き出したとしても再度の接種は必要ありません。

接種当日について

  1. 接種時は、おなかをすかせた状態でご来院ください。
  2. 授乳は、接種して30分後から可能です。
  3. 下痢をしている時は、接種を見合わせてください。
  4. ※他のワクチンとの同時接種が可能です。

ロタウイルス胃腸炎とは

  • 病原体:ロタウイルス
    我が国の主な流行株は、G1P[8], G2P[4], G3P[8], G4P[8], G9P[8]の5種類
  • 感染経路:ヒト-ヒト間での糞口感染
  • 潜伏期:1〜2日
 

乳幼児におこる代表的な感染性胃腸炎のひとつです。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入り込むだけで感染が成立します。そのため5歳までにほとんど全ての乳幼児が一度は感染すると言われています。初めて感染すると重症化しやすく、その後感染を繰り返すにつれて軽症化します。多くは突然の嘔吐、発熱に続き、水様性下痢を起こします。特異的な治療はありません。回復には 1 週間ほどかかります。脱水症になる可能性が高く、胃腸炎関連けいれん、熱性けいれん、肝機能障害、腎不全、脳症等をまれに合併することもあります。脱水が強い場合や合併症を併発した場合には、入院が必要となることがあります。

腸重積症とは

腸の一部が、他の腸の中にもぐりこんで、二重になってしまい、腸閉塞(イレウス)症状をおこす病気です。4か月から2歳までの乳幼児に多くみられます。原因ははっきり分かっていませんが、風邪などのウイルス感染が原因で腸の壁のリンパ節が腫れ、腸の動きが制限されるとおこりやすくなるようです。この状態を放置すると腸管の血行障害・通過障害をきたし、生命にかかわる状態となります。出来るだけ早くに発見し、重積した腸管を元に戻す治療が必要となります。

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