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子どもの予防接種

狂犬病ワクチン

ワクチン名 乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン(商品名:ラビピュール筋注用®)
予防する病気 狂犬病
接種の対象年齢 年齢制限はなし
接種回数 曝露前免疫 計3回  曝露後免疫 4〜6回
接種方法 筋肉内注射 1回接種量は1ml(小児も成人と同量を接種)
標準的な接種スケジュール 曝露前免疫は、0日、7日、21日あるいは28日に行う
備考
  • 狂犬病の流行地域に1か月以上滞在する方(親に同行する小児も含む)、動物との接触が避けられない方、近くに医療機関がないような地域に滞在するような方は、あらかじめ予防として狂犬病ワクチンを接種(曝露前接種)しておくことをお勧めします。
  • 海外で狂犬病に罹っている可能性のある動物に咬まれた場合は、受傷後直ぐに現地の医療機関を受診し、適切な創傷処置と発病阻止のためにワクチン接種(暴露後免疫)を受けてください。たとえ曝露前接種を受けていたとしても直後および3日目の狂犬病ワクチンの接種は受ける必要があります。

※予防接種は、完全予約制です。あらかじめご予約ください。


狂犬病について

  • 病原体:狂犬病ウイルス
  • 感染経路: 狂犬病ウイルスに感染している動物(イヌ、ネコ、キツネ、コウモリ等)に咬まれたり、傷口を舐められたりすることにより感染します。唾液に含まれているウイルスは、咬傷部の末梢神経を介して中枢神経に到達して脳炎を引き起こします。ヒトからヒトへの感染はありません。
  • 潜伏期間:通常1〜3か月 咬まれた場所、傷口の程度によって異なります

発熱、頭痛、倦怠感といった風邪のような症状ではじまり、咬まれた部位の痛みや知覚異常を伴います。興奮や不安状態、錯乱・幻覚、恐水症状(水を飲むと喉が痙攣を起こし、非常に苦しいため飲水を避けるようになる症状)、恐風症状(空気の動きに敏感になる)などの神経症状を呈し、最終的には昏睡から呼吸停止で死亡します。この病気はいったん発病すると効果的な治療法はなく、ほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。

狂犬病は日本、アイスランド、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国を除いて、ほぼ世界中で発生しています。世界保健機関(WHO)の推計によると、世界中では年間5~6万人が狂犬病で亡くなり、その大半は 10 歳以下の小児で、アジアやアフリカ地域で発生しています。日本では、1956年を最後に人の狂犬病発生はありません。また、動物では1957年に猫で発生したのを最後にその後の発生はありません。しかし、輸入感染症例として狂犬病発生国でイヌに咬まれた人が帰国後に発病した事例が、1970年に1例、2006年に2例、2020年に1例(外国籍の男性)報告されています。

ヒトの狂犬病の原因動物

  • 【アジア・アフリカ】犬、ネコ
  • 【欧米】キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ネコ、犬
  • 【中南米】犬、コウモリ、ネコ、マングース