pediatrics小児科
子どもの予防接種
インフルエンザワクチン
(不活化ワクチン)
インフルエンザ HAワクチン
【従来の注射不活化ワクチン】 概要
ワクチン名 | インフルエンザH Aワクチン |
予防する病気 | インフルエンザA型・B型 |
対象年齢 | 生後6か月から |
接種回数 | 13歳未満は2〜4週間間隔で2回接種 13歳以上は1回接種 |
接種方法 | 皮下注射
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標準的な接種スケジュール |
毎年、流行のはじまる前の10月末や11月からワクチン接種を始めるのが望ましい。 遅くとも12月中旬までには接種を終えるように。ただし任意接種 |
備考 |
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※予防接種は、完全予約制です。あらかじめご予約ください。
インフルエンザについて
- 病原体:インフルエンザA型、B型
- 感染経路:飛沫、接触感染
- 潜伏期間:1〜3日
日本を含む北半球では毎年冬にインフルエンザが流行します。近年流行しているインフルエンザウイルスは、A型のH1N1亜型とH3N2亜型、B型/ビクトリア系統の3種類です。(近年B型/山形系統のウイルスは世界的に検出されなくなっています)。 感染後、1〜3日の潜伏期を経て、突然38℃を超える高熱、頭痛、からだのだるさ、関節痛などの全身症状が強く現れます。その後、鼻汁、咽頭痛、咳などの上気道症状が現れます。インフルエンザは、無治療でも通常1週間程度で回復しますが、乳幼児や高齢者では重症化や死に至ることもあります。乳幼児では脳症が、高齢者では二次性肺炎が問題になります。
ワクチンの有効率とは
ワクチンの有効率は、「ワクチンを接種しないで発病した人のうち、接種を受けていれば発病を避けられたのは何%か」を意味します。有効率70%が、100人接種したら70人がかからないという意味ではありません。
臨床試験では「接種群」と「非接種群」を追跡して、疾病が発生した割合を比較することで有効性を評価しています。例えばワクチン接種者100名のうち発病者が6名(発病率6%)で、ワクチン非接種者100名のうち発病者が20名(発病率20%)であった場合、ワクチンの有効率は 70%になります。
相対危険=(6/100)/(20/100)=0.06/0.20=0.3
ワクチン有効率=(1-0.3) X100=70%
一方、前述の厚生労働省研究班の調査では、「症例群」と適切に選択した「対象群」で、結果が発生する前のワクチン接種状況を複数シーズンに渡り、同じデザインで継続的に比較することで、有効率を評価しています。6歳未満児のインフルエンザワクチンの有効率はおよそ41~63%で、ワクチンを接種していれば約半数が発病を避けれれたことを意味しています。