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子どもの予防接種

麻しん・風しんワクチン

ワクチン名 乾燥弱毒生麻しん風しん混合(MR)ワクチン
予防する病気 麻疹(はしか)、風疹
定期接種の対象年齢
  • 1期は、1歳以上2歳未満
  • 2期は、5歳以上7歳未満で小学校入学前の1年間
接種回数 計2回
接種方法 いずれも1回0.5mlを皮下注射
標準的な接種スケジュール
  • 1期は、1歳になったらなるべく早めに接種を
  • 2期は、小学校入学前の1年間(4/1~3/31)
備考
  • ガンマグロブリン製剤の投与を受けたことがあるお子さん(川崎病や特発性血小板減少性紫斑病など)についての接種時期については医師にご相談ください。
  • 麻疹が周囲で流行している場合は、自己負担になりますが1歳未満でも麻しん単独ワクチンの接種ができます。ただし、1歳を過ぎたら再度MRの接種を受ける必要があります。
  • MRワクチンを接種した5~10日後に発熱や発疹が出ることがあります。

※予防接種は、完全予約制です。あらかじめご予約ください。


麻疹(はしか)について

  • 病原体:麻疹ウイルス
  • 感染経路:空気、飛沫、接触感染
  • 潜伏期間:10~12日

 38℃前後の発熱、のどの痛み、咳、目の充血など風邪のような症状が現れ、一度熱が下がった後に再び高熱が出るとともに全身に発疹(赤いぶつぶつ)が広がっていくのが特徴。肺炎や脳炎など重篤な合併症を引き起こすこともあり、乳幼児などでは命を落とすケースもあります。非常に感染力が強く、公共施設や学校などでの集団感染が起こることも珍しくありません。

日本は2015年に麻疹排除状態(野生株がいない状態)にあると世界保健機関(WHO)から認定されました。排除達成後も海外からの旅行者に端を発する麻疹の地域的小流行が起きていました。2020年以降コロナの世界的流行で人の往来が制限され、国内の麻疹届出数は減少しましたが、海外での麻疹症例数の増加と国内での麻しん含有ワクチン接種率の低下によって今後海外からの麻疹ウイルスの持ち込みによる集団感染のリスクが高まることが予想されます。感染を拡大させないためには2回の定期接種率を95%以上に維持することが必要です。

風疹についてについて

  • 病原体:風疹ウイルス
  • 感染経路:飛沫、接触感染
  • 潜伏期間:2~3週間

 感染しても症状が出ない不顕性感染が約15~30%ありますが、発熱、発疹、耳の後のリンパ節の腫れなどが主な症状です。
麻疹より症状は軽く、2~3日で治るケースが多いですが、まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を呈することがあります。また妊娠初期(妊娠20週頃まで)に妊婦さんが風疹にかかると生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が見られることがあり大きな問題になります(先天性風疹症候群)。
近年では2018~2019年に成人男性を中心に流行がおこり、5例の先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれました。患者の中心は30代から50代の男性で、風しんワクチンの定期接種の機会がなかった世代( 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性)でした。
そこで厚生労働省は、 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生まれの男性を対象として、風しんの抗体検査と陰性者へのワクチン無料接種を実施してきました。令和7(2025)年3月末まででこの事業は終了となりますが、先天性風疹症候群が生じないようにするため、大人も生涯で2回ワクチンを受けることが重要です。

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