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子どもの予防接種

BCGワクチン

ワクチン名 乾燥BCGワクチン
予防する病気 結核
定期接種の対象年齢 1歳未満の方
接種回数 1回
接種方法

ワクチンの液を左上腕に1滴たらし、管針のツバ部分で塗り広げ、管針で2回強く押して接種する。

標準的な接種スケジュール 生後5か月から生後8か月未満まで
備考
  • 乳幼児の結核性髄膜炎や粟粒結核などの重症な結核の発症を予防します。
  • 日本のBCG東京株は免疫原性も高く副反応も少ないことが知られています。
  • 接種後2~4週間が過ぎると、接種局所が赤く腫れたり、膿むこともありますが正常な経過です。ただし、接種後1~5日の早い段階で接種局所の反応(コッホ現象)がお子さんに見られた場合、お子さんが接種前に結核菌に感染していた可能性があるので接種医療機関を受診してください。

※予防接種は、完全予約制です。あらかじめご予約ください。


結核について

  • 病原体:結核菌
  • 感染経路:空気感染
  • 潜伏期間:感染後2年以内

 日本の結核罹患率(人口10万人対)は、2021年に9.2と結核低蔓延国の水準(罹患率10.0以下)を達成し、2023年も8.1と低蔓延国の水準を維持しています。しかし毎年約10,000人が新たに結核を発症し、毎年1,500人以上が結核で亡くなっています。発症者の6割が70歳以上の高齢者ですが、一方で若い患者さんのうち、外国生まれの割合が増加しています。国際化の進展により、この傾向はさらに進むと予想されます。結核は過去の病気ではなく、今も日本と世界の重大な感染症と言えます。

 結核を発症した患者の咳やくしゃみとともに結核菌の混ざったしぶきが空気中に飛び散り、それを周囲の人が直接吸い込むことによって人から人へ感染します。結核に感染したからといって必ず発症するわけではありません。通常は、体の免疫力によって結核菌は増殖を抑え込まれていわば休眠状態になるため、そのまま感染者が亡くなるまで発症しなかったり、いったんは感染しても免疫力によって結核菌が死滅したりすることが大半です。しかし、体の免疫力が結核菌を抑えきれない場合、結核菌は感染後6か月から2年ほどの時間をかけてゆっくりと増殖し、発症にいたります。乳幼児の場合は、免疫力がまだ不十分なため、感染するともっと短い期間で発症する場合があります。乳幼児が感染すると全身に感染が広がり、結核性髄膜炎や粟粒結核と呼ばれる重い結核になり、亡くなったり、後遺症が残ることもあります。

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