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2025年4月からの子どもの予防接種について

2025年4月からの子どもの予防接種について、新たなワクチンの導入や新規の助成事業の開始はありませんが、保護者の皆様にお伝えしておきたい変更点があります。打ちそびれたワクチンがないか母子健康手帳の予防接種記録を今一度ご確認ください。

1.令和2年コロナ延長対応について

 コロナ禍の影響を考慮して定期予防接種の期限を延長する措置が取られてきました。延長措置の対象となった場合、接種期限が過ぎても定期予防接種として公費での接種が認められてきましたが、令和7年(2025年)5月7日でこの延長措置は終了となります。令和7年(2025年)5月8日以降に接種する際は全額自己負担になりますのでご注意ください。

対象者 令和2年(2020年)3月19日以降に接種期限が過ぎてしまったかた
対象ワクチン DPT(三種混合)、不活化ポリオ、B型肝炎、水痘、MR(麻しん風しん混合)、日本脳炎、DT2期(二種混合)、小児用肺炎球菌、四種混合、五種混合、BCG、ヒブ、HPV(ロタウイルス、おたふくかぜ等は延長対応措置の対象外です。)

2.M Rワクチン(第1期・第2期)接種期間延長について

 令和6年(2024年)度のM Rワクチン定期接種対象者で、M Rワクチンの偏在などが生じたことを理由にワクチンの接種ができなかったかたは、令和9年(2027年)3月31日まで接種期間が延長されることになりました。

対象者
  • 第1期:令和4年(2022年)4月2日〜令和5年(2023年)4月1日までに生まれたかた
  • 第2期:令和7年(2025年)春に小学校に入学されたかた

3.四種混合ワクチンの販売終了

 定期予防接種にDPT-IPV-Hib 5種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・インフルエンザ菌B型(ヒブ))ワクチンが導入されたことにより、DPT-IPV四種混合ワクチンの販売が中止となりました。四種混合ワクチンとヒブワクチンで接種を開始され、まだ接種を完了されていないかたも5種混合ワクチンなどを用いて接種を完了させることができます。

4)ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症予防ワクチンについて

i )キャッチアップ接種の変更

対象者は平成9年(1997年)4月2日から平成20年(2008年)4月1日生まれの女性で、子宮頸がん(HPV)予防ワクチンの接種を完了していないかたにキャッチアップ接種が行われてきました。本年度から、令和4年(2022年)4月1日から令和7年(2025年)5月7日(目黒区民に限る)までに1回以上接種したかたのみ、令和8年(2026年)3月31日まで残りの接種(全3回)にかかる費用を定期予防接種同様に無料で受けられるように変更されました。 自治体によって要件が異なります。お住まいの自治体、接種する医療機関にご確認ください。

ii ) 男性へのHPVワクチン接種費用助成の延長(任意接種)

目黒区では、令和6年(2024年)度から区内に住民登録がある小学6年生から高校1年生相当の年齢の男性に対して、4価HPVワクチン(ガーダシル)の接種費用の助成を行なっています。助成開始初年度に高校1年生相当の年齢だった男性(平成20年度生まれの男性)に対して、ワクチンの出荷量の調整により接種できなかった状況などをふまえ、令和8年(2026年)3月31日まで接種期限が延長されることになりました。

2025年4月17日
小児科 齋藤 義弘
日本小児科学会小児科専門医
日本感染症学会専門医

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